コラム

同じ場所に集まらずに取締役会を開催することは可能?

取締役会テレビ会議

新型コロナウイルスの感染が拡大している現状において、予定していた定時株主総会を実施できない場合の取扱いについては、既に記事にしました

では、取締役会についてはどうなるのでしょうか。

会社法上、取締役会は原則として取締役が一堂に会しての開催を想定しています。しかし、同じ場所に集まれば感染リスクが生じます。取締役という会社の重要な意思決定をする人たちが感染すれば、事業にも大変な影響がでかねません。

取締役会を別の方法で開催できないのでしょうか。

考えられる手段を以下に2つまとめました。どちらの方法もテクニカルな部分がありますので、少しでも疑問があればお知り合いの弁護士か、当法律事務所の相談窓口にお問い合わせください。

テレビ会議・電話会議による開催

前述のとおり、会社法上、取締役会の決議は、取締役の過半数が出席し、その過半数をもって決議することが定められています(会社法369条1項)。しかし、その「出席」の方法は、特に規定されていません。

また、会社法施行規則101条3項1号では、取締役会の開催場所に存しない方法で出席した取締役については、その出席方法を取締役会議事録に記載するよう定められています。このような定めの存在自体、会社法は、物理的に取締役会の開催場所に出席しない形での出席方法を予定しているといって良いでしょう。

そして、取締役間の協議と意見交換が自由にでき、相手方の反応がよく分かるようになっている場合であれば、テレビ会議や電話会議を利用しての取締役会の開催も可能と考えられています(法務省作成の資料や民事局商事課長通知が根拠です)。

つまり、各取締役の音声と画像が即時に他の取締役に伝わり、適時適確な意見表明が互いにできる仕組みになっていればよいのです。

書面決議による取締役会決議

ここまで説明してきたテレビ会議等の方法は、実際に取締役会を開催して決議する方法でした。

もし、議論をするまでもなく、取締役全員による決議事項への賛成が見込まれるのであれば、会社法上、以下の要件を満たせば、書面のみで決議が可能です(会社法370条)。

  • 書面決議ができることが定款に定められている
  • 決議事項に対して取締役全員が同意(同意の意思表示は書面又は電子メール等の方法。口頭はNG)
  • 決議事項に対して監査役の異議がないこと

この方法はテレビ会議等の設備を整える必要がないというメリットがありますが、取締役の一部による決議事項に対する反対が見込まれる場合は使用できないという制約があります

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