コラム

雇用調整助成金の特例措置の拡大について

雇用調整助成金

※雇用調整助成金は、2020年4月1日から更なる拡充措置が実施されています。追加拡充した部分についてはこちらのコラムをご覧ください。

新型コロナウイルスの感染拡大に対応した各種助成金について、本サイトのコラム上でもいくつかとりあげてきました。

今日は厚生労働省が発表した、雇用調整助成金の特例措置をご紹介します。特例措置は2020年2月14日から段階的に実施されており、直近では3月10日に特例措置の内容が拡充されました。

特例措置は、休業等の初日が2020年1月24日~同年7月23日までの場合に適用されます。

最新の特例措置の内容をふまえると、以下のような場合に、助成金を受けられる可能性があります。

  • 取引先が新型コロナウイルスの影響で事業活動を縮小したため、受注量が減った
  • 新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、一部従業員の休業や一斉休業をしたり、濃厚接触者に休業を命じた
  • 緊急事態宣言を発出した自治体からの要請で事業活動を自粛した
  • 小学校の休校で多くの労働者が長期休暇を取得したため、生産体制の維持が困難になり、営業を中止した

今回のコラムでは、特例措置による変更点を解説します。

制度の概要

雇用調整助成金とは、経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業・教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当・賃金等の一部を助成するという制度です。

この制度が特例措置によって、今後は以下のように運用されます。

対象となる事業者の拡充

一般的な場合

新型コロナウイルスの影響を受けて、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者(全業種)

なお、2月14日から実施されている特例措置の結果、事業所設置後1年未満の事業主も助成対象となっています。ただし、その場合、生産指標の確認は提出があった月の前月と2019年12月を比較するため、2019年12月の実績があることが必要です。

緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域(現時点では北海道のみ)

上記の地域に所在する事業者

生産指標の確認期間の緩和

一般的な場合

最近1ヵ月間の生産指標が前年同期に比べて10%以上減少低下(従来は直近3ヵ月の月平均が10%以上減が要件でした)

緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域

生産指標要件は満たすものとして取り扱う

対象者の拡充

一般的な場合

雇用保険の被保険者が対象

なお、従来の要件は、被保険者として雇用された期間が6ヵ月以上でしたが、特例措置ではこれが撤廃されました。このため、新卒採用者も対象となります。

緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域

雇用保険の対象外の非正規(1週間の所定労働時間が20時間に満たない労働者)を含めた労働者が対象

雇用量要件の緩和

従来は、被保険者や受け入れている派遣労働者の雇用量の最近3ヶ月の平均が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成の対象になりませんでした。

しかし、一般的な場合・緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域ともに、この要件が撤廃され、雇用量が増加している事業者も対象となりました。

助成率の拡充

一般的な場合

中小企業は3分の2・大企業は2分の1(ここは従来と変わりません)

緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域

中小企業は5分の4・大企業は3分の2

計画届の事後提出を容認

休業等計画届は事前提出が原則です。

しかし、一般的な場合・緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域ともに、2020年1月24日~同年5月31日までの事後提出が認められるようになりました。

※上記のとおり特例措置の対象となる休業等の開始日は2020年7月23日までですが、事後提出期間は同年5月31日までですので、ご注意ください。

クーリング期間の撤廃

通常、過去に雇用調整助成金を受給していた場合、前回の対象期間から一定の期間を空けないと次の対象期間を設定できません。これをクーリング期間といいます。

今回の特例措置で、一般的な場合・緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域ともに、クーリング期間は撤廃されました。

さらに、過去に受給していたとしても、支給限度日数から過去の受給日数は差し引かず、今回の特例の対象となった休業等の支給限度日数までの受給が可能となりました。

 

以上が、特例措置をふまえた雇用調整助成金の概要です。特例措置の内容を詳しく知りたい方は、北海道労働局のサイトにわかりやすく整理されているのでご覧ください。
また、実際に申請をする際には、これ以外にも様々な要件がありますので、厚生労働省のサイトをご覧ください。

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