コラム

内定取り消しや内定辞退を迫られたら(労働者向け)

内定取り消し内定辞退

新型コロナウイルスの影響で内定を取り消す企業が出てきており、日経新聞2020年3月13日付け記事などでも報道されています。

記事によれば、今後も、新型コロナウイルスの大きな影響が予想される観光業などを中心に、同様の動きが生じるおそれがあるそうです。

もし、あなたや家族が内定を取り消されたり、内定を辞退するよう迫られたりしたらどうすればよいでしょうか。落ち着いて対応できるように、ポイントを知っておきましょう。

内定の時点で労働契約は成立している

内定の時点で働き始めた後の賃金などの主な勤務条件が決まっていれば、一般的には会社との間で労働契約が成立していると考えられます。この場合の内定の取り消しは、法律的には「解雇」です。

内定の取り消し(解雇)が許される場合

内定の取り消し(解雇)は、労働契約法で規制されています。

労働契約法では、内定の取り消し(解雇)は、内定の取消理由が客観的に合理的なものであり、かつ、社会通念上も相当と認められるが必要があります。

簡単に言えば、客観的な第三者から見て解雇してもやむを得ないと思える理由が必要です。

新型コロナウイルスによる経営悪化を理由に内定を取り消せるか

新型コロナウイルスの影響による経営状態の悪化が内定の取消理由である場合、内定者である労働者には非はありませんね。経営状態の悪化は会社側の事情です。

もちろん、会社も経営悪化は新型コロナウイルスのせいであって会社の責任ではないと言いたいでしょうが、労働者との関係では、会社側の事情になります。

このように会社側の事情を理由として内定を取り消すためには、どうしても内定を取り消さなければならない高度の理由がなければ、客観的な第三者から見て解雇してもやむを得ないとは言えない、と考えられています。

具体的には

  • 内定を取り消さなければならないほど会社の業績が悪化しており、それが継続するのか
  • 内定取り消し以外の措置、例えば、入社時期を遅らせる、入社はさせて一時的に休業させるといった措置を採る余地がないのか

といった事情を検討します。一時的な業績悪化に過ぎない場合には、内定取り消しをするのは法律上は難しいと思われます。

内定辞退を迫られたら

そうはいっても会社から自主的に内定を辞退するよう迫られるかもしれません。その場合はどうすべきでしょうか。

まず、内定によって既に成立した労働契約を終了させる主な方法は、以下の3つです。

  1. 解雇(会社が一方的に労働契約を終了させる方法)
  2. 辞職(労働者が一方的に労働契約を終了させる方法)
  3. 合意退職(会社と労働者の合意によって労働契約を終了させる方法)

内定の辞退を迫る行為は、法律上は、②の辞職を促す行為か、③の合意退職の申し入れになります。

内定者は、辞職するかどうかは自由です。合意退職の申し入れに応じるかどうかも自由です。

内定辞退を迫られたら、「重要なことなので、よく考えてお返事いたします」と言ってその場で安易に返事はしないようにしましょう

内定辞退届のような書面にサインや押印するよう言われても、「持ち帰って考えます」と言って、その場で応じないようにしましょう一度、書面にサインや押印してしまうと、後になって覆すのは非常に困難です。

専門家に相談しましょう

内定取り消しを受けたり、内定辞退を迫られたりして、それに納得できない場合は、自分で結論を出す前に、弁護士や行政機関に相談するか、当サイト上でご質問ください。無料で相談に応じている専門機関は、以下のようなものがあります。

内定取り消しについてもっと詳しく知りたい方には、労働事件を専門的に取り扱っている弁護士の先生が解説しているこちらの記事もおすすめです。

一人で悩まずに周りの人に相談し、後悔しない選択をしましょう。

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