まとめ・Q&A

Q&A:緊急事態宣言後も休業手当は支払うべきか

※Q&Aコーナーでは当法律事務所宛にいただいたご質問についての回答を掲載しております。

本サイトの以前のQ&Aでは、外出自粛要請に伴って企業が休業する場合は「会社都合の休業」となり、休業手当を支払わなければならないのが原則であることを書きました。

では、その後に出された緊急事態宣言によって休業する場合も、やはり「会社都合の休業」として休業手当を支払わなければならないのでしょうか。このような疑問を抱いている経営者の方も多いようですので、今日はこの点についてまとめます。

厚生労働大臣の見解

厚生労働大臣は、「緊急事態宣言がなされて、特定の都道府県知事から施設の使用の制限等が行われた場合でも、一律に休業手当の支払義務がなくなるものではない」としました。

その上で、「休業手当の支払いの要件については、使用者の不可抗力によるものなのかということがポイントになる」と説明しています(全文はこちら)。つまり、使用者の不可抗力による場合であれば休業手当を支払わなくてもよい、ということです。

同様の説明は、厚生労働省が出しているQ&A集の問7の回答でも示されています。

それでは、「使用者の不可抗力による」場合とは、例えばどのような場合があるのでしょうか。次で詳しく見ていきましょう。

使用者の不可抗力かどうかの判断基準

上記、厚生労働省のQ&Aの問7において、不可抗力による休業と言えるためには以下の①②の要件を両方とも満たす必要があると回答されています。

  1. その原因が事業の外部より発生した事故であること(外部性)
  2. 事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること(回避困難性)

その上で、①に該当するものとして「今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言要請などのように、事業の外部において発生した、事業運営を困難にする要因」が例示されています。つまり、緊急事態宣言や休業要請に応じて休業した場合には、①の要件を満たしうるということになります。

次に、②に該当すると言えるためには、その前提として、使用者が休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしていなければなりません。そのような努力を尽くしたかについて、厚生労働省は、以下のような事情を考慮して判断すべきとしています。

  • 自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
  • 労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか

最後は総合判断になる

以上が厚生労働省の見解ですが、具体的な個別のケースについては、それぞれのご事情に応じた総合判断になります。

また、「会社都合の休業」にあたらず、休業手当が必要ないと思われる場合であっても、厚生労働省のQ&A集の問6にもあるとおり、まずは労使がよく話し合うことが重要です。

判断に迷われる場合は、ぜひ弁護士等の専門家にご相談ください。

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