コラム

賃料を減免・支払猶予した貸主に対する税等の優遇措置

新型コロナウイスルの感染拡大により、経済的に困窮し、賃料を支払えない個人や事業者が出始めています。本サイトでも、賃料の減額に関する覚え書きのひな形をご提供させていただきました。

今日は、国土交通省が発表している、不動産所有者がテナント等に対して賃料の支払いを減免・猶予した場合の税・社会保険料に関する支援策についてまとめます。状況に応じて以下の支援策を使い分けてください。

なお、★がついているものは、関係法令の成立が前提となります。

税・社会保険料の納付猶予

新型コロナウイルスで、税・社会保険料を一時に納付することが困難な場合は、申請によって、原則として1年間、納付が猶予されます(延滞税(延滞金)は軽減されます)。すなわち、3月期決算の企業では、5月が納付期限となっている法人税の納税猶予が可能となります。

2020年2月1日から2021年1月31日までに納期限が到来する税・社会保険料については、新型コロナウイルスの影響により事業等に係る収入に相当の減少があった場合、一時に納付することが困難であれば、無担保・延滞税(延滞金)なく、1年間納付を猶予することができるようになります(★)。

そして、不動産所有者等がテナント等の賃料支払いを減免した場合や、税・社会保険料の納付期限において賃料支払いを猶予中の場合も「収入の減少」として扱われます。

固定資産税・都市計画税の減免

中小事業者の保有するすべての設備や建物等の2021年度の固定資産税及び都市計画税を、2020年2~10月の任意の3ヶ月の売上が前年同期比30%以上50%未満減少した場合は1/2に軽減し、50%以上減少した場合は全額を免除します(★)。

不動産所有者等がテナント等の賃料支払いを減免した場合や、書面等により一定期間、賃料支払いを猶予した場合も「収入の減少」として扱われることとなる見込みです。

損害額の損金算入(賃料減免の場合のみ)

法人・個人が行った賃料の減額が、次の条件を満たす場合、減額した分の差額を損金として算入可能とします。

  1.  取引先等が、新型コロナウイルスに関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること
  2. 賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
  3. 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間)内に行われたものであること
    (※ 既に行った賃料の減免を行う場合についても、同様とする。)

この措置は、賃料の減額・免除のみに適用されるものであり、支払い猶予の場合には適用されないことにご注意ください。

その他

賃料を減額した場合には、災害時と同様、法人税の負担を軽減する措置が既に採られていますが、これを個人事業主にも拡大することとしました。

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